『…あさみ?怒ってるのか?』有弥は遠慮がちに聞く。

「そうじゃなくて心配だったの…気をつけて帰ってね!」

『うん。ありがとう、あさみ。それじゃあ電車が来たからまたあとでな。』

―プツっ…










この優しい声があさみの聞いた最後の有弥の声。
キーボックスが動き出すまであと少し。

PM9時13分