『…あさみさん…有弥は…あさみさんの名前を呼んで………』

もはや綾子の声には小さな嗚咽が混ざっている。

あさみもそれにこらえきれなくなってポタッと涙をしたたらせた。

『…会いたかった……と』

あさみはその一言にいたたまれなくなって一人しかいないトイレから駆け出し
泣きながら…
そして走りながら…
外へ出た。