「ってかさぁ、何で先輩達もキャンプあるんだろうね」


俊也が発した言葉に、瀬戸さんがビクッと体を震わせた。


そんな瀬戸さんを見て、


「俊也クンの馬鹿」


と林さんがすかさず突っ込む。
それを見て瀬戸さんは笑いながら、
「気にしなくて良いよ……それより」



「わあッ」


瀬戸さんはいつもの優しい笑顔をつくりながら、僕のほっぺを両手でつねる。


「も-ッ!! 何でこんなにやあらかいんだろうねッ」


ホッ……。


瀬戸さんが少し元気になり、僕は安堵のため息をつく。


「瀬戸さん、いひゃいですよ」


「あははッ♪ ゆきゆき、超かあいいッ」


そう言いながら、瀬戸さんは僕にハグをする。


カアアッ―



途端に熱くなる顔。


「ハッ……雪斗まさか大河さんのコト好きなの?」

俊也が面白がって、僕をからかう。

「ち、違うよ~!! 」


慌てて否定する僕を見て、瀬戸さんと林さんはクスクスと笑う。



ドキッ―



まただ。


最近、僕は瀬戸さんの笑った顔を見ると、胸が高鳴る。



そして不意に見せる切なげな顔。


無理して笑っている顔。


泣いた後の顔。


瀬戸さんが見せる一つ一つの表情に、行動に……僕は反応してしまう。

そして胸の中がほんわかしてくる。


まだ初恋もしたこと無いけど……。

コレが【好キ】って言う気持ちなのかな?