初めて入ったスミレんちで、母ちゃんに部屋まで案内してもらった。



「スミレ~、彼氏さんが来たよ~」

「陽ちゃっ…」



何これ、引きこもり?



スミレの部屋は、薄紫が多いらしい。



カーテンとか、布団カバーが薄紫…。



その中に、部屋着姿で髪も適当なスミレがいた。



俺がくるなんて、信じてなかったんだな…。



「何で入れたのママ!!」

「スミレは面食いだったのね~。朝比奈くん、ゆっくりしてってね?」




いや、スミレ怒ってるよ…。



顔隠しちゃった…。



母が出てった部屋はシーンと静まり返ってる。



涼しぃ~~~!!



「あっ、飲み物買ってきた」

「いらないもん…」

「ごめんって。仲直りのチューしてあげるから」

「しないもん!!」

「ヤダよ。俺がしたい」

「ヤダ!!陽ちゃんのペースに巻き込まれる…」



ベッドに逃げたスミレが、モゾモゾと布団の中に隠れた。



拗ねてるぅ~…。