1日ベッドで過ごし、自分の頭を騙す。



簡単だ。



誰も好きにならなきゃいいだけ。



うん、白咲なんか好きじゃない。



メシも食わない、風呂も入らない。



心配した誰かが部屋の前に飲み物とパンをおいてった。



それと、尚くんに渡したはずの財布。



みんなの好意は受け取らなきゃ。



部屋を出るのはトイレに行く時。



それ以外は出ない。



「陽っ…?」



話かけられたら、考えてることがぐちゃぐちゃになるからシカト。



4日、悩んで、悩んで、悩みまくった。



俺は誰も好きにならない。



そう決めて部屋を出た、平日の昼。



まず、シャワーを浴びて全部洗い流す。



前もそうだった。



鏡に写る自分が、部屋にこもる前より嫌いになってる。



財布を持ち、そのまま美容院へ。



「今日はどうする?」

「こんな感じで」

「あぁ、陽くんに似合いそうだね」



雑誌から選んだ髪型にしてもらった。



色も変えた。