「なので単純に付けっぱなしだと、危険なんですよ。筒は木で出来ていますし、トリップしたままでは火事になっちゃいます」

「げっ現実的ですね」

「はい。でもこのロウソクも特別製ですからね。短いのもしょうがないんですよ」

ソウマは苦笑して、ロウソクを入れていた籠を取った。

「色によって、香りも違います。原材料はこのラベルを見ていただければ分かると思います」

ラベルにはラベンダーや桃の絵が描かれていた。

「じゃあ、この幻灯筒とロウソクはセット売りなんですね?」

「あとこのマッチもです」

アンティーク模様のマッチ箱を、ソウマは見せた。

「ソウマさん…。商売根性あるなぁ」

ハズミのあきれたような感心したような意見に、キシは心の中で賛同した。

「セットで買った方がお買い得なんですよ。それに今のところ、幻灯筒はコレ一つしかありませんしね。中々作れる物でもないですから、貴重なんですよ」

「まっまあヒミカも喜びそうですし、買いますよ」

「ありがとうございます。ではハズミ、幻灯筒とマッチを包んでください。キシくんは好みのロウソクを選んでください。ああ、最初の森林のロウソクはオマケとしておきます」

「あいよ」

「どれにしましょうかね…」