すると周囲は再び闇に包まれる。

そしてソウマがまた指を鳴らすと、明るい店内になる。

「すっげ…! コレが新製品?」

「ええ、良い出来でしょう?」

ソウマは感心しているハズミに満面の笑みを向けた。

「どうですか? キシくん。お疲れならば、この製品で癒されてみませんか?」

「凄いですけど…この製品にはどういった副作用があるんですか?」

キシは放心しながらも、その目には緊張感が滲んでいた。

この店の商品の危なさは、マカからかなりきつく言われていた。

「そうですね。あまり長く使わないことでしょうか? 現実逃避に走ってしまう危険性がありますので」

「ボクにはヒミカがいるので、そこは大丈夫ですよ」

「ええ。それとロウソクを見てほしいんですけど」

ソウマは棚からロウソクを取り、キシの目の前に差し出した。

「このロウソクでなければ、幻灯筒の効果は出ません。しかしこのロウソクは見ての通り、短くて細いでしょう?」

「ええ、かなり」

ロウソクは人差し指サイズしかない。