「相手には相手がいるとか!?」

「いえ、相手の方はフリーですよ」

「なら何で告らないんだよ? ソウマさんなら、すぐにOK貰えそうなのに」

「そう簡単にはいかない相手なんですよ」

ソウマは苦笑して、二人と壁の隙間から逃げた。

「さっ、無駄話はここまでで良いでしょう」

「あっ、最後に質問!」

ハズミが勢い良く手を上げた。

「それじゃあ本当に最後ですよ?」

「分かってるって。…その好きな人って、同属?」

意味ありげに笑うハズミ。

ソウマは目を閉じ、頷いた。

「―ええ。同じ血族の者です」

「そっか。分かった。んじゃ、バイトに戻りますか」