日記は、ほんの少しでも誰かに見られたい気持ちがあると僕は思う。


自分が死んでからでもいいから、自分がどんな人間で、どんな事を思って、どんな生き方をしてきたか、ほんの少しでも自分ではない誰かの心に伝わって欲しかった。





「馬鹿だなぁ。僕はもう、この世で一人なのに。」



あからさまな作り笑いをしながら僕は呟いた。

ありったけの皮肉を込めて言ったけれど、それを知る相手もいないと思うと、その分無償に悲しく切ない気持ちは膨らんだ。




それからこれまでの日記を書いたノートを木製の机にしまうと、いつもより早くベットに入り目を閉じた。