母さんと僕。



ずっと二人で暮らしてきた。

父さんも兄弟も、僕が物心ついた時からいなかった。

存在していたことさえ分からない。

疑いはしなかったし、それが必然的だとも思えた事もあった。





何せ僕は母さん以外の人間に会った事がない。

たびたび母さんはこう言っていた

「この星にはもうあなたと私しかいないのよ。」

と。



だから僕は他の人間に会った事がないのだろう。