柚の隣がオカンで、俺の隣は愛美。

…嫌がらせか。


「なんや、お葬式やないんだから」


お前のせいや、オカン!
何、のんきに柚の隣座ってんねん。


柚は頼んだパフェを笑顔で食べていた。

俺はコーヒーを飲んで、柚を見つめた。


おいしそうに食べる柚が愛おしくて…じっと見つめた。


俺、変態やん。


柚が食べ終わると、俺は金を置いてオカンに言った。


「俺ら帰るわ。柚、行こか」


「うん」


柚と手を繋いで、ゆっくりと歩いた。


「愛美ちゃん、嫌いなの?」


「嫌いや、大嫌いや」


「愛美ちゃんは好きだと思…」


その先は言わせない。
キスをして、黙らせた。


「俺は…柚が好き。それだけ」


「…う、ん」


「もう言わへんで」


「ごめんね」


柚を抱きしめて、もう一度キスをした。