「ゆっず~!」

「あ、おかえり」


学校が終わると、俺はすぐに花屋へ向かう。

もちろん、柚がいるから。


「ホンマ、今日もかわいいなぁ」

「ちょっ、ちょっと!」


柚を抱きしめながら、頭を撫でた。


ずっとこうしていたい。


「仕事中~っ」

「じゃ、終わったら」


さて、始めるか。
俺はエプロンを着て、呼び込みを始めた。


「お兄さん、今これを買った方には…ええこと教えて…」


「ええこと?」


「そや。彼女いる?」


「…いない」


「なら、すぐにできる方法教えてもええで。この花、買ったらな?」


「…わかった、買おう」


「どーも」


よっしゃ、ひとりゲットや。
こういうので引っかかるからな男ってもんは。