「ホンマ、その笑顔あかんて」


「え?」


「誰にも見せんでな?俺だけに見せて」


「…うん」


誰にも見せたくない。
この笑顔も、柚も。


「蓮君」

「ん?」

「今日…と、と、とぉっ…」


とぉっ?
…もしや。っていうか、マジ!?


「泊まってええの!?」

「ど、どうしてわかったの?」

「いやぁ、勘」


泊まってええ…それって、やばいんちゃう?
まぁ、俺にとっては…うん。


「ええの?」

「…うん」


恥ずかしそうに俺の手を引っ張る。

マジっすか。
俺、止まらへんからな。


柚の家は、綺麗なマンションだった。


手を繋いで、柚の部屋に向かう。