「ケンカなら家でや」

柚を見てみろと、俺は柚を指差した。


兄貴はすぐに納得して、メガネをはずした。


なんで、メガネはずすんや。
意味ないやろ。


「柚、ごめん。ごめん…」


柚は首を振って、兄貴を見た。

「よし、柚。花、まだ届かんの?」


「あ、もうちょっとしたら…」


「そーか。じゃ、掃除するわ」


「私もやるっ」


柚と俺と太一達で、ほうきや雑巾で一生懸命掃除をした。

兄貴はただ、ぼーっと見ていた。

邪魔やな…。
しゃあない。

「ほれ」

「…ああ」

雑巾をポイッと兄貴に投げて、俺はテーブルを拭いた。

世話のかかる兄貴や。