「あ、ゆ、柚さん…心配してるんやないの!?」


「…しとるわな」


「か、帰れば!」


「お前連れて帰らなあかんから…ほら、帰るで」


愛美の腕を引っ張って、駅へと向かって歩く。


浴衣姿の女達が楽しそうにしながら、どこかに向かう。


「ど…して、いつも見つけてくれるの?」


「さぁな。歩いてたら、見つけた」


「ごめん…ご、めん」


遅いっつーの。

愛美の頭を撫でて、電車に乗った。

愛美は俺にしがみついていた。


「あたし、柚さんに謝りたい」


「ああ」


それ以上、話さなかった。