「…蓮君っ?」


「愛美を追いかければええんやろ?」


柚を見ずに聞いた。
追いかけて、慰めればええんやろ。


俺は駅へと走った。

ささっと切符を買って、電車に乗った。


女が多く、チラチラと見てくる。

ああ…もう、腹立つ。

愛美も、愛美を心配する柚も。


渋谷に着くと、俺はとりあえず走った。


…どこや?どこにおるん?

見つけたら、怒らなあかんな。

そういや…前もこんなんあった気がする。


中学2年のとき、あいつ…彼氏とケンカして、親とケンカして…家出をした。