二人が歩いてきた道は
山道や砂利道ではない
平凡などこにでもありそうな道路
けれど、平凡なのは道路だけだった
車は走っていない
それどころか今まで人と会っていない
あるのは信号を送るべき相手のいなくなった信号機と街灯がぽつんと
立っているだけである
そんな状況の中、二人は
車が走るべきはずの車道の真ん中で
持っていたリュックから
コンビニおにぎりを取り出した
すぐ近くにあったコンビニから
もらってきたおにぎり
お店はすべて開きっぱなしのまま
なぜかこの世界では
お店の中の時間が止まっている
丁度いい
二人はお店の時間が止まって
いることに気づいてから、
コンビニのおにぎりを食べるのが
習慣となっていた
「コンビニおにぎりはいつ食べても
おいしいよね-」
はるかもたけるもコンビニおにぎりが
大好物だった
初めはお金も払わずに
貰ってきてしまうのに抵抗があった
だけど人のいない世界では関係ない、と
はるかが開きなおってからは
お店から生活に必要なものを
貰ってきている