「その後の事はあまり、はっきり
 覚えてない。お母さんが亡く
 なって、毎日一人で公園で
 泣いていたら、女の子が慰めて
 くれたの。それが智美だった。
 それから毎日一緒に遊んで
 過ごした。事情を知った智美の
 両親が・・あたしを家族として
 迎え入れてくれた。あたし普通
 の子より目の色が薄くて、
 グレーなんだ。それで学校で
 虐められて落ち込んでたら、
 智美があたしに内緒で両親に、
 グレーのカラーコンタクトを
 買って貰ってはめてた。
 そして、あたしのクラスに来て
 お姉ちゃんの瞳はとても綺麗だ
 って、言ってくれたの。
 それからずっと、グレーの
 コンタクトを付けて外さな
 かった。あたしがもういいよ
 って言うと、お姉ちゃんと
 お揃いだから嬉しいんだって
 笑ってた。虐めはなくなって
 あたしは、智美の姉になれた
 事が誇りだった。絶対、
 あたしが智美を守る、って・・・
 誓ったのにね・・。
 謝らなきゃいけないのは
 あたしのほう・・。」


あたしの頬を、いつの間にか
大粒の涙が流れていた。