「で?話は?」
蓮が話を促す。
「・・はい。実は勝手なんですが
長谷川さんに、昔の自分を
重ねて見ちゃったんです。
あたしはそんな能力もない
ですし、一緒なんかにしたら
長谷川さんが気を悪くしちゃい
ますよねっ?・・でも、あたし
も前は人が怖くて、一人で
泣いていた時があって・・。
あたしと亡くなった妹は、
実の姉妹ではないんです。
あたしは六歳で、母に施設に
預けられました。母にお金を
貸していた男性が、急に取り
立てに来るようになって、
暴力を奮うんです。あたしに
危害が及ぶのを、恐れた母は
あたしを施設に預けて、毎日
の様にあたしに会いに来て
くれました・・。」
そこまで話し、
那智は微かに微笑んむ。