「えっ?あのっ、あたしの事
 覚えて・・いませんか?」


軽くショックを受け、
上目ずかいで自信なさげに
聞き返した。


「あんた、この前事件に
 巻き込まれてた娘だろ。」

「はい、その節は本当に
 ありがとうございました。」


あたしはそう言って、
深々と頭を下げた。


「礼なんて・・いい、
 結局俺は何もしてない。」


そう言って蓮は、目を伏せた。