戸惑いを隠せないでいると、彼女が静かに死体を置いた。

死体を綺麗に整え、名残惜しそうに手を離す。


ゆっくりとこっちを向き、苦しそうな表情で泣き出した。


「っ・・智美が、・・うぅっ・・
 こ・・怖かった・・。・・あたし
 何もできなかった・・。」


そう言って思いっきり、泣き付いてきた。


いつもなら、胸なんか貸さない。泣き付かれても放っておく、
・・いつもなら。

どうしようか困ったが、震えながら泣く彼女を、何故か突き放すことができなかった。