「わかったっ、俺が悪かった。
 これ片ずけたら好きなもん
 奢ってやる。」

「当たり前です。
 遠慮はしていません。」


糞っ。遠慮ぐらいしろってんだ。
こいつが使える奴じゃなかったらボコボコにするってのに。

いつかぜってぇ殴ってやる。


片倉は内心とは裏腹に、落ち着いて話し始めた。


「三日前に一家全員、殺害される
 事件が起きている。
 殺害後犯人は逃走途中、女性を
 誘拐し行え・・」

「で?その女性の連れ去ら
 れた場所を見つけろ、と?」


全部話し終わる前に淡々と言う。

こいつは不愛想だが、
話は分かる奴だ。


「まぁ、そんなところだ。女性の
 安否もわかっていない。だから
 至急、と言う訳なんだ。」