着いた場所は、どうやら
空き家の様だ。


私達二人とも別々に縛られ、
少し離れた所に座らされた。


那智は部屋の一番奥で、
必死に縄を外そうとしている
様に見える。

犯人達の近くにいる私は、怖くてただひたすら泣いていた。


男達は何やらさっきから
揉めている様だけど、
よくわからない。


少しして男達は、
部屋から出て行った。

静まり返った部屋の中、泣いている私に那智は優しく話し掛けてくれた。


「智、平気?怪我はない?」


私は泣きながらも頷く。

那智がほっと息をついて、微笑みながら声を掛けた。


「大丈夫、
 二人共助かるから。」


私もそれに答えて微笑んむ。


お願い早く解放して・・。


望みの薄い希望に縋って、
今は耐えるしかない。