私は男達の格好を見て理解して
しまい、思わず悲鳴をあげて
しまった。

はっと口を押さえたが、
もう遅い。


悲鳴を聞いて、那智が急いで駆け寄って来る。


茶髪の男は悲鳴に驚いたのか、
急いで車に乗ろうとしていた。

フードを目深に被った男は、だだ肩で息をして突っ立っていた。
顔は隠していてよくわからない。


フードを目深に被った一人の男が手にしていたのは、ポタポタと雫が滴り落ちるナイフだ。

よく見ると、男の着ている服のあちこちに赤黒い染みがあるのがわかる。


・・恐らく血。


那智は咄嗟に、
私を庇って前に出た。

逃げなくては、と思うが足が言うことを聞かない。

私は那智の背中に隠れる様にしがみ付いた。


・・・どうしよう。


迷っていると、フードを被った男が殴りかかってきた。


「逃げてっ!!」


那智は私の手を引っ張って逃げようとする。しかし、遅かったのか男達に無理矢理バンの中に押し込められてしまった。

バンの中で頭を殴られ、
意識が途切れた。