車に乗り込み、門倉は今まで
閉じていた口を開いた。


「何なんですか、あいつは?
 信じて大丈夫なんですかね。」


長谷川は寂しそうに
門倉を見て言った。


「あの子はきっと、今まであの
 能力の所為で、物心く頃から
 ずっと利用されてきたんだ
 ろう。名前は本当にないのかも
 しれない・・・。私達だけでも
 あの子を、一人の人として同じ
 目線で話そう。」


門倉は自分が小さく思え、
恥ずかしくなった。


「そうですね。あいつの為にも
 犯人を捕まえましょう!」

「もちれんだ。」


そうして車を発進させた。