Koiko*Side
メイク直しを終えて、メイク道具をポーチにしまっていると何かいい匂いが教室に入ってきた。
ん?何だろ……すっごいおいしそうな匂い。
その匂いが教室に入ってくると、反応したのはあたしだけじゃなかった。
クラスメイトもその匂いを嗅ぎつけて、ザワザワとし始める。
すると瑞希もそれに気付いてあたしの方を見る。
「何か……焼き芋の匂いじゃない?」
焼き芋……?
「まさかぁ~今春だよ?しかも、もう夏に……」
あぁ!!!
あたしは思い出して話すのをやめた。
そんなあたしを見て、首を傾げて“どうしたの?”って顔をする瑞希。
確かさっきの奴、焼き芋焼くとか言ってたな。
本気であいつ焼き芋焼いたの!?
学校で!?