目を見るのが怖かった。


 一体どんな風にあたしのことを見ているのだろうか。


 不安で不安で仕方なかったけれど。



 謝るっていうのは、自分の気持ちを伝えることだから。


 目を見ないと、決して通じないから。



 そして、疑問をぶつける。



「あーちゃん…瀬野君のこと、好きだったんだね?」



 明らかに驚いている。表情、動き、それら全てが物語っている。



「な…何で…!?」



 こんなに分かりやすいあーちゃんも、あたしには初めてだった。



「あんなに冷静じゃなかったのも、そうだからでしょ?」



 自分に置き換えて、考えれば分かる。


 あたしでも知らない氷室君のアドレスを、あーちゃんが知っていたら。


 そんなの辛いに決まってて……。