「瀬野君のアドだよ」


「え、瀬野の?」



 驚いた表情。


 あたしが高校に入ってから一度も男子とアドレス交換なぞしていないことは、あーちゃんも重々承知だった。



「よかったら教えて?」


「あ、うん!」



 ……上手くいった、と思った。



 あたしは気づいてなかったの。


 あーちゃんの気持ちの変化。


 少しずつ溝ができ始めていたこと――…