日曜日という、一週間のうち最も不要な日を跨ぎ、あたしは月曜を迎えた。


 教室に到着して先ず、氷室君に声を掛ける。


 他の子もいつも声を掛けてはいるのだけど…期待したのは、彼女たちより少しでも優しげな返事で。



「おはよう、氷室君っ」


「……あぁ」



 それに反する素っ気ない反応は、ほんの少し、あたしを淋しくさせる。


 めげない。こんなことで、めげてたまるか。


 謎の気合が、あたしには充填されている。溢れそうなほど。



「昨日はどうだった?」



 何が、せめてそんな質問返しがあってもいいものだと思うのだけれど。


 まさか、つい先程あたしの期待をあっさり裏切った彼が、そこであえて次の期待に沿うはずも無く。



「…どうって、別に」



 素っ気ないの段ではない。無味乾燥。


 驚きを隠せないくらいに何の変化もなかった。期待もついでになかったことにしてしまいたい。


 これでイルカのお礼を言えようものなら、あたしは相当図太い神経の持ち主ということになってしまうだろう。