これ…………。



 ―――「あ!イルカ!」


 ―――「は?どこだよ」



 ねぇ、氷室君?



 ―――「…ぬいぐるみか?」


 ―――「うんっ」



 ねぇ、こんなことされたら、あたしもっと氷室君のこと好きになっちゃうよ。


 拒んでも、あたしのことなんて嫌いって言っても、知らないよ。




 渡された袋の中に入っていたのは、あたしが見ていたぬいぐるみだった。


 可愛い可愛いって、あの場を離れなかった。


 熱い。何もかもが、彼への想いで、熱い。




 好き。


 好き……っ。


 想いが溢れて止まらない。



 帰り道、嬉しさのあまり、人目もはばからず涙を流していた。