電車の中では、途切れつつもあたしたちは短い会話を繰り返していた。


 今までよりは、かなり縮まったような気が、またしてきた距離。


 隣に座って、時々あたしの表情からは、心からの笑みがこぼれる。


 氷室君は栗ヶ丘駅で降り、あたし一人になってしばらくしてから気づく。


 この荷物を、あたしはどうすればいいのか。


 氷室君が忘れるだなんて思えない。ということは、これはあたしに渡されたもの。と、思いたい。


 見てしまってもいいのだろうか。



 まずかったときのパターンを恐れつつも、あたしは袋の口のテープを、爪の先を使って裂く。


 ご丁寧に、その中に更に、不織布でラッピングが施されている。……ラッピング、そう、リボンで可愛らしく結んであって。


 駅から出たところであたしは、一旦立ち止まり、その中身を見た。




「……………っ!!!」




 あまりの驚きに。


 呼吸だけでない、全運動を忘れてしまった。