―――ばたばたというけたたましい足音。



「!?」



 次第に近づいてくるそれに、恭一は顔を上げた。



 ――――――あーちゃんは!?


 どうして氷室君が…!!?



「……及川」



 呆気にとられた氷室君の声。


 現在の状況が理解不能なのは、あたしの方だ。



「何で…氷室君が……」


「俺は、山浦に言われて」



 …つまりは、あーちゃんが立てた作戦?


 二人して、まんまと引っかかってしまったという事で。



 あたしの、ため…に?