あたしの中での問題は、もう。


 伝えるか、伝えないか。これだけになっている。



 氷室君に迷惑をかけてしまうのが、何より怖くて。


 だけど、もうすぐ…一学期さえも、終わろうとしている今。


 いくら夏休みに入っても課外があるからといって、その日数は皮肉にもあまり多くなく。


 姿を見ることすらできないなんて、淋しくて淋しくて耐えられない。



 声が……聞こえる。


 氷室君の声。笑うあの子の声。


 聞きたくなんてないのに、それでも聞いてしまうのはそれが氷室君のものだから。



 あたしの時と、どこか違う。


 それが一体どこなのか、分からない。…気づけない。