「一香」


「分かってる。気になんてしてないから、平気!」



 あたしが負けてられない。


 何も関係ない子たちに負けてられない。



 上っ面しか見ていない。


 あたしの行動…氷室君のことも。



 誇張でなしに、少しずつでも強靭になってきた気がする精神。


 揺らがなくなってきた、氷室君のことが好きだという気持ち。


 決して譲れるものじゃない。



 席についてからは、机にうつ伏せて寝ていた。


 あーちゃんは瀬能君と話しているし、他に話せる人がいるでもなく。


 ……それでも、平気だった。