「一香っ!」


「ひぇっ!?」



 突然頬に触れた、少々極端にも感じる冷たさ。


 購買に売っている、イチゴオレ。


 ここ最近飲んでいなかったため、なんとなく懐かしかった。



「ったくもう、あいつら本当ガキ。人の噂することでしか暇潰せないんだから」


「ははは……」



 そうだ。


 あたしには、あーちゃんがいる。


 氷室君がいなくても、全て失くした訳じゃない。


 あーちゃんがいれば、もう十分だよ…。



 だから、……気を遣わなくても、いいんだよ?



「飲んでっ!」


「ありがと」



 素直に受け取って、紙パックにストローを差し込んだ。