教室の中の時計をガラス越しに見やると、四時過ぎ。


 でも今は昼過ぎのはずだから、…時計が、止まっているんだ。



 このまま本当に、止まってしまえばいい。


 世界の時計が、時間そのものが。


 巻き戻せればとは思わない。…思えない。



 擦っても擦っても、涙は止まらない。


 瞼がひりひりしている。



 あーちゃんはとちゅうで追いかけるのをやめたらしい。


 見失ったのかもしれない。


 でも、今確実に一人になってしまったことで、一気に体の力が抜けてしまった。



「……ばーか…」



 震えた声で呟いた。



 誰に向けて?どうして?


 わからない。