「いい………よ」



 俯いてあたしは、ぼそっと言葉を零す。



 あたしが決めたことだから、勝手に氷室君のことを振り回すわけにはいかない。


 強い覚悟の元に、したことでしょ?



 それに何よりも、出ていないんだ。答えが。




「いい?一香。答えばかり求めすぎると、本当に大事なものを失うことになりかねないのよ…」




 最後の方はあたしと同じように俯いて、言ったあーちゃん。


 重たい空気が必然的に流れる。



 転がっていったシャーペンを取り落として、床に転げ落ちた。


 あたしと氷室君の関係もこのまま落ちてゆくのかな……。



 これ以上なんてない程なのに。