早くも三週間がたった。
あたしと氷室君は、言葉を交わすどころか擦れ違うこともない。
あからさまというわけでもなく、避けているつもりもないのに。
ただひとつ後悔しているのは、最初で最後、二人で行った水族館―――
あの日は、「またどこか」って、そういう意味で捉えて、ただ喜んでた。
返せていないのは、お金だけじゃなくて――
嬉しさも、ドキドキも、何も。
あたしは氷室君に、何一つ返すことなく、出来ることなく、終わってしまった。
……あたしは全然、気づいていなかった。
氷室君の心の動きに。
自分の気持ちで一杯になって、今の氷室君を見ていなかったこと。
そんなある日のことだった。
あたしと氷室君は、言葉を交わすどころか擦れ違うこともない。
あからさまというわけでもなく、避けているつもりもないのに。
ただひとつ後悔しているのは、最初で最後、二人で行った水族館―――
あの日は、「またどこか」って、そういう意味で捉えて、ただ喜んでた。
返せていないのは、お金だけじゃなくて――
嬉しさも、ドキドキも、何も。
あたしは氷室君に、何一つ返すことなく、出来ることなく、終わってしまった。
……あたしは全然、気づいていなかった。
氷室君の心の動きに。
自分の気持ちで一杯になって、今の氷室君を見ていなかったこと。
そんなある日のことだった。