「………とりあえず、教室出よう」



 もうすぐHRが始まるのに。


 あーちゃんはあたしのために時間を割こうとしてくれて。


 あたしはその後姿にあたしは頷いてついていく。



 あたしから別れたなんていったら、あーちゃんはどう反応するのだろう。


 本当に堪えられなくなってしまいそうだ。



「……一香」



 教室最寄のトイレに着いた。


 どこか哀しそうな微笑を、あたしは見た。



「泣きたいなら、泣きなさい?」



 優しい一言で、涙腺が壊れた。