「本当おめでとう!素直に嬉しい!!」



 大切な、大好きな親友の幸せを、あたしはただ正直に祝った。


 瀬野君が告白だなんて想像つかない、なんて言ったらまずいだろうな。



 そしてその幸せそうなアゲハ様に反し、昼休み。


 氷室君と、ご飯の時間。


 楽しいはず。うきうきのはずなのに。



「……氷室君」


「ん?」



 先程からずっと気になっていた事が、一つある。



「なんか今日、無口だよね?」



 いつもに増して―――とは流石に言わなかったけれど、あたしは尋ねる。


 あたしのお箸が動きを止めているのに一切触れず、黙々とお弁当を食べ続ける今日の氷室君は、当初よりさらに口数が少ない。