いきなり声のトーンを落として、ぼそっと呟くように言ったあーちゃんだけど、とても幸せそうだった。


 言った途端に顔を真っ赤にして照れるその姿は非常に珍しいもので、女のあたしでも下手したら惚れる。


 嬉しくて仕方がないのだろう。笑みが零れている。



「あーちゃん、可愛い……」



 勿論本音だ。目の前のあーちゃんは可愛すぎた。


 正直頭を撫でてしまいそうな程。



「何よそれ!どういう意味よ!!」


「そのまま…」



 突然怒り出すあーちゃんに、もうあたしはどう対応すればいいのかさっぱり分からない。



「一香に言われると子ども扱いされてるような気がするのよ!一香が可愛いから!」


「何それ!」



 ……笑いあう。


 二人とも、幸せだった。