「前のテスト、赤点ぎりぎりだったんだろ」


「はぁ……」



 ぎりぎりだったからまだよかったけれど。


 本当に赤点なんて取った暁には、進級の危機にさらされる。


 というわけで、氷室君があの恐怖のアクションDVDを片付けた後に、氷室君の部屋に戻る。



 教え合い?そんなの無理に決まっている。



「…thatの用法が違うから訳せないんだって」


「え、じゃぁどうすれば」


「今、このthatどう取った」



 完全に教えられる側になっているあたし。


 同じ授業を受けていたなんて嘘に決まっている。



「か、関係代名詞……?」


「そう取るから訳せないんだって」