そして完食後。


 ご馳走様でした、と手を合わせてから聞いた一言目は、これだった。



「一香ちゃんほんとに可愛い…。冗談抜きに!恭一のお嫁さんになって!」


「え、え、ちょ……っ!!?」



 あまりにぶっ飛んだことを言われたから、あたしは吹き出しそうになった。


 立ち上がって食器を水につける。


 そこで。



「可愛すぎるー!!」



 ……またも抱き付かれてしまった。


 助けを求めようと氷室君のほうを見ても、素知らぬふりをしてあさっての方向を見ている。


 とんでもない事を言われてしまったわけだし、当然といえば当然だろう。