リビングのドアを開くと、待っていたのは氷室君のお父さん。


 予想通りといったところだ。矢張り整った顔。



「君が及川さんかい?」


「は、はぁ…」



 あまりに激しい温度差に、あたしの頭はくらくらしてきた。



「恭一、お前何をした」


「え」



 ―――――残念すぎる容姿で、申し訳ない。そう思った矢先。



「何も聞いてなかったけど、可愛いじゃないか」



 ………どうなってるんだろう、この家は。


 そして否定させていただこう。可愛くなんてない。