「恭一!あんたこんな可愛い子どうやって捕まえたの!!あぁもう本当可愛い!」



 どんなに可愛いと連呼されても、これだけは自信がある。



 決して女の子としての可愛さを評価されているのではない。



「母さんとりあえず落ち着いて。怯えてる」


「え、本当!?ごめんなさい!」


「いえそんな…っ」



 着いていけないほどのハイテンション。


 しかし離れて見た氷室君のお母さんは、矢張り美しかった。



「とりあえず、リビングへどうぞ?」



 促されるままに奥のほうへ進んでいく。


 その廊下の両脇についている、ドア。テレビで見るセレブの邸宅は流石に比較対象にならないけど、それでもあたしからしたら多い。


 壁紙もあたしの家のような単調な白でなく、綺麗な花柄。