挨拶…挨拶を……っ!



 超緊張の中、あたしは声を出そうと無理矢理息を吸ったのだけれど。



「あなたが一香ちゃん!?かーわいーい!!」



 玄関に足を踏み入れた瞬間に、全身で受けた衝撃。


 どうやら抱き付かれてしまったようだ。


 そしてちらと見た顔を、あたしは疑った。



「…お、おねぇ様デスカ………?」



 あぁもう、完全に片言ではないか。



「……母さん」


「そうよ、やだもう会ってすぐにお世辞だなんてっ!」



 お世辞ではなく、本当に疑ったんですよ。


 あまりに綺麗だから。