何よりも悲しかったのが、先程渡されたそのお菓子をくれた理由が、単に「余ったから」だったこと。


 あたしの分として取っておいてくれたわけではない。


 いや、食べ物は余ったら困るとはいえ、このくらいなら自分の家で消費するだろう。それをくれただけ、ありがたいと思わないと。


 賞味期限が切れたら、塩漬けにしてでも保存しないと。


 あたし以外に彼から何かもらった子なんて、いないんだから。


 こうして自分を励ましてみるけれど、どうしても、待たせておいて一人で帰ってしまった彼に対する憤りが強くて。


 それにも、自分が勝手に期待していただけだと言っておくけれど、でも。



 一体、あたしは彼にどう認識されているのだろう。


 今までの対応を見ると、どうにも「彼女」と思われているとは。


 至上の命題、しかしきっと真偽は分からない。


 久しぶりに一人で歩いた帰り道、隣にいない彼のことばかり考えていた。