……いつぶりだろう、こんなにすがすがしい気持ちになれたのは。

 先生を好きという淡い思いを抱いたときと似ている気はするけれど、いまこの胸にそういった甘さはこれっぽっちもなくて、
 晴れ渡る空の下、どこまでも続く草原に立っているような、余計なものの一切ない爽やかなただ中に私はいる。

 やり切ったあとの爽快感。

 思い出す。
 
 家に閉じこもって勉強に明け暮れる日々など、自分には無縁の遠い遠い世界だと無邪気に笑い合っていた小学校の頃。
 カラスが夕焼けの空を飛んでいくのを見上げながらいつまでも泥まみれになって遊んでいた。

 学校行事に運動会になんだって腹の底から楽しくて、どんなにくだらないことでも笑顔に変えられた満たされた日々。
 今でも1日はあっという間に過ぎていくけれど、あの頃は早く明日が来ればいいと、明日はみんなと何をして遊ぼうと夢を持って夜を越せた。

 ―――それが、最近はどうだろう。