開くと、それは先生からだった。
 返信不要のつもりで送ったのだけれど、どうしてメールが来るのだろう。

[佐々倉がそう言うなら俺は信じるけど、無理はするなよ。

長里先生のことなら気にするな。さっきまで一緒にいたんだけど、怒るよりむしろ萎れてたぞ。
ここだけの話、長里先生は頑丈に見えてナイーブなところがあるんだ。確かに長里先生にも非はあったと思うけどあんまりいじめないでやってくれな]

 ちょっぴり噴いた。
 あの長里ならなにを言っても堪えたりなどしないと思っていた。
 だけど先生は嘘は言わない人だから、事実なのだろう。
 先生にいじめないでと言われたら―――いじめるわけがないではないか。むしろ優しくしてやっても良いくらいだ。

 ……いや、それはちょっと言いすぎだろうか。

[今日は月が綺麗なんだな。俺、あんまり空とか見ないから佐々倉のメールもらって、久しぶりに夜、窓を開けたぞ]

 ―――やっぱり。
 私と先生は今、繋がってる。

「このメールに返信はいらないからな。疲れてるのに悪かった。

それじゃあまた明日、学校で」