そしてやっと、朝がやってきた。信長様
もさすがに飲み過ぎたようで、酔い潰れ
ていらっしゃる。

そして私はと言うと…
眠気はあるが、ピンピンして起きていた。

「…私って結構お酒に強いのかしら?」

結構どころか、相当強いのだが、自覚の
あまり無い凛であった。

そんな思いを抱きながら、大の字で寝て
いる信長様を見て、どうしようか思案に
暮れていると、

「信長様、朝に御座います。」

そう言って、おそるおそるといった体で
顔を覗かせたのは、どうやら様子を見に
行く役を押しつけられた小さい男の子だ
った。

「わざわざ有難う。でも、信長様は少々お
酒が過ぎた様で…」

と私は受け答え、チラッと黙って信長様
を見て示した。

やっぱり、起こさないといけないのかし
ら…
そう思っておもむろに私は信長様の肩を
揺らした。

「信長様。朝で御座います。どうぞ御起き
下さいませ。」

それを見た男の子は見る間に青くなった
が、凛は背を向けていて気付かない。